在宅医療経営研究所(ラボ)|構造設計の専門家
設計シリーズ 第8弾|集患・訪問件数設計訪問件数が伸びないのは、
「営業不足」
ではありません。
患者が来ない・紹介が来ない——
その原因は、紹介導線が「設計」されていないことです。
この記事は、こんな院長先生に向けて書いています。
・訪問件数がなかなか増えない
・新患・紹介患者が来ない月が続いている
・「もっと営業しなければ」と思っているが、時間がない
「訪問件数が増えない」——その本当の原因
在宅医療クリニックの院長先生から、こんな悩みをよく聞きます。
「訪問件数が月に数件しか増えない。どうすれば患者が来るのか。」
「ケアマネに挨拶回りしているが、紹介につながらない。」
「在宅医療を始めて1年。患者数が想定の半分以下のまま。」
この悩みを「営業力不足」「立地が悪い」「知名度がない」として捉えるクリニックがほとんどです。しかし——
26年間・700件以上の現場を見てきた経験から断言できます。訪問件数が伸びないのは、営業力の問題ではありません。紹介が発生する「構造」がないことが原因です。
患者は「探して来る」のではなく「流れてくる」
在宅医療の患者獲得は、外来医療とは根本的に異なります。
患者が症状を感じて、自分で検索・選択して来院する。
→ 認知・利便性・口コミが集患の中心。
患者は自分でクリニックを選ばない。紹介元が選ぶ。
→ 紹介導線の設計が集患の中心。
在宅医療の患者は、こんな流れで「流れてきます」。
この流れのどこかが「設計」されていなければ、患者は流れてきません。どれだけ営業しても、導線がなければ紹介は発生しないのです。
3つ以上当てはまる場合、紹介導線の設計が機能していない可能性があります。営業を増やす前に、まず構造を診断してください。
「挨拶回り」が紹介につながらない理由
多くのクリニックが「ケアマネに挨拶回りしているが紹介が来ない」と言います。これには明確な理由があります。
① ケアマネが「紹介しやすい」状態になっていない
ケアマネが患者を紹介するのは「このクリニックに紹介すれば安心」という確信があるときだけ。挨拶だけでは確信は生まれません。
② 「どんな患者を受け入れるか」が伝わっていない
受け入れ可能な疾患・状態・距離・対応時間が明確でないと、ケアマネは「断られるかも」と思って紹介をためらいます。
③ 紹介後のフィードバックがない
紹介した患者のその後が見えないケアマネは、次の紹介をしにくくなります。情報共有の仕組みがなければ関係は続きません。
紹介は「関係性」ではなく「設計」で発生します。ケアマネとの良好な関係は必要条件ですが、十分条件ではありません。
訪問件数は「営業力」ではなく「紹介導線設計」で決まる
紹介導線設計とは、以下の5つの紹介元それぞれに「自然に紹介が発生する仕組み」を作ることです。
- 病院退院支援室・地域連携室との導線設計 退院前カンファレンスへの参加・受け入れ基準の明文化・退院後の情報フィードバック体制を整えます。ここからの紹介は件数・継続性ともに最も安定しています。
- ケアマネジャーとの導線設計 「このクリニックに紹介したい」と思わせる3つの条件を整えます。①受け入れ基準の明示、②レスポンスの速さ、③紹介後の情報共有。挨拶回りはその後です。
- 訪問看護ステーションとの導線設計 訪問看護との連携は、患者紹介だけでなく夜間対応・急変対応の分担にも直結します。情報共有・合同カンファレンス・連絡フローを設計します。
- 地域包括支援センター・居宅介護支援事業所との導線設計 開業前・開業直後に最も重要な紹介元です。「在宅医療が必要になったときに最初に思い出してもらえる存在」になるための接点設計をします。
- 介護施設・グループホームとの導線設計 施設入居者への訪問診療は、件数効率が高く移動コストが低い。施設との協定・定期訪問の枠組みを設計します。
2026年以降の在宅医療は「拡大競争」ではなく「生産性競争」
在宅医療を必要とする患者数は今後も増加します。しかし重要なのは「患者がいるかどうか」ではありません。
患者が自然に流れてくる「紹介導線の設計」があるかどうかです。
在宅医療の競争優位は、診療技術でも立地でもなく、地域連携の質と量で決まります。
しかし重要なのは「連携の数」ではありません。紹介が自然に発生する「連携の設計」があるかどうかです。これからの在宅医療は、より多くの患者を獲得する「拡大競争」ではなく、限られた医師・スタッフで最大の成果を出す「生産性競争」に移行しています。
医師1人あたりの適正訪問件数・1日の訪問効率・診療圏の設計——これらを数値で管理しているクリニックと、「来た患者を全部受ける」クリニックでは、3年後の経営に大きな差が生まれます。
2つ以上当てはまる場合、集患設計の見直しが必要です。営業を増やす前に、まず紹介導線の構造を診断することをお勧めします。
在宅医療経営研究所(ラボ)の支援内容
在宅医療経営研究所(ラボ)では、「集患・訪問件数設計」を含む10の設計を統合的に支援します。訪問件数が伸び悩んでいる院長先生は、まずLINEで現状をお話しください。紹介導線のどこに問題があるかを一緒に整理します。
- 現状診断紹介元・件数・導線の実態をもとに、構造上の課題を可視化します。
- 設計提案クリニックの規模・地域・体制に合った紹介導線モデルを設計します。
- 実装支援現場への落とし込みまで、一貫してサポートします。
在宅医療 設計費
現在、月3件限定でモデルケースとして受け付けています。実績構築を目的とした特別価格です。
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「なぜ紹介が来ないのか」を一緒に整理します。まずは話してください。
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- 第1弾|在宅医療の結果は9割が「設計」で決まる
- 第2弾|訪問診療クリニックの「電話地獄」は設計で終わる
- 第3弾|「先生、どうしますか?」が現場を壊す——役割分担設計
- 第4弾|「誰も知らない」が現場を止める——情報共有設計
- 第5弾|「その判断、誰がするんですか?」——判断基準設計
- 第6弾|医師不足ではなく院長依存——医師負荷分散設計
- 第7弾|夜間対応は覚悟ではなく設計で決まる——夜間対応設計
- 第8弾|訪問件数が伸びないのは営業不足ではない——集患・訪問件数設計(本記事)
- 第9弾|クリニック併設訪問看護ステーション開設(近日公開)
- 第10弾|総集篇・河井貴幸は何ができるか(近日公開)
クリニック併設の訪問看護ステーションは、開設後に崩壊するケースが多い。許認可取得後に何が起きるか——26年・700件の現場知見から解説します。
河井貴幸|医業経営アドバイザー・在宅医療設計士
在宅医療経営研究所(ラボ)/情報発信ブランド:在宅医療経営ラボ/運営:有限会社メディカルラボ。26年間・700件以上の在宅医療クリニックの現場を見てきた経験をもとに、外来・訪問診療・人員・集患・動線の統合設計を専門とする「在宅医療アーキテクト」として、クリニックの構造的課題に取り組む。