介護処遇改善計画書の提出期限は2026年6月15日(月)です。
期限を逃すとスタッフへの賃上げが適用されません。
在宅医療経営ラボ|緊急情報
「6月15日」を見逃すと、
スタッフの賃上げがパーになります。
訪問看護・ケアマネも「処遇改善加算」の対象になりました。
しかし計画書を出さなければ、1円も支給されません。
2026年6月1日、医療と介護が同時に大改定されます。
クリニックの事務方は今、医療の届出作業だけで限界を超えています。その陰で、「介護の処遇改善計画書」の期限が静かに近づいています。
この記事では、なぜこれがクリニックにも関係するのか、何をいつまでにすべきかをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- ・なぜクリニックが「介護の処遇改善」に関係するのか
- ・今回の改定で何が変わったか(訪問看護・ケアマネが対象追加)
- ・「6月15日」という特例締め切りの意味と罠
- ・今すぐやるべき3つのアクション
まず前提:なぜクリニックが「介護」の話に関係するのか
「処遇改善?うちは医療機関だから関係ない」——そう思っている院長がいたとしたら、今すぐ認識を改める必要があります。
在宅医療に力を入れているクリニックの多くは、医療だけでなく、以下のような「介護保険が適用されるサービス」を院内で一体的に運営しています。
- ・訪問看護ステーション(またはクリニック所属の訪問看護)
- ・居宅介護支援事業所(ケアマネジャーが所属する部署)
- ・訪問リハビリテーション
これらは医療機関の看板を掲げていても、国から見れば「介護サービス事業所」でもあります。
つまり介護保険の制度改定は、クリニックの経営に直接影響します。
今回何が変わったか——訪問看護・ケアマネが賃上げ対象に追加
国は深刻な医療・介護の人手不足に対応するため、介護保険の財源から「処遇改善加算(実質的な賃上げ手当)」を支給しています。これは国がスタッフの給与を補助してくれる制度です。
そして2026年6月1日の臨時改定で、これまで対象外だった職種が新たに追加されました。
・ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)
・訪問看護の看護師・理学療法士
対象者1人あたり最大月1.9万円相当の賃上げが可能になります。
院長の立場から見れば、「うちのケアマネや看護師の給料を、国の財源で上げてあげられるチャンス」です。
しかし、この賃上げを受けるには条件があります。「処遇改善計画書」という書類を国に提出しなければなりません。提出しなければ、どれだけ対象スタッフがいても、1円も支給されません。
「6月15日」は猶予ではない——地獄のタイムラインを理解する
通常、介護の新しい加算を取るための計画書は、「スタートする前月の15日まで(今回なら5月15日まで)」が提出期限です。
しかし今回、国は特例措置として提出期限を6月15日まで延長しました。なぜか——
医療(診療報酬改定)と介護(臨時改定)が、同じ6月1日に同時に変わります。
クリニックの事務方は5月中、医療の「施設基準届出(6月1日必着)」の書類作成だけで文字通り限界を超えています。ここに「介護の計画書も5月15日までに出せ」では、組織が崩壊してしまいます。
そこで国が認めたのが「介護の計画書だけ、6月15日まで待つ」という特例措置です。
通常と特例スケジュール比較
一見、猶予をもらえてハッピーに見えます。しかし——
6月1日〜10日は、5月分のレセプト請求の締め切りで、1年で最も忙しい時期です。特例で延びたはずの「6月15日」という期限は、レセプトの嵐が終わったわずか5日後にやってきます。
現場では、こんな状況が起きています。
院長・看護師長:「6月15日までに計画書出さないと、みんなの賃上げがパーになるぞ!早く作れ!」
↕ せめぎ合い
医療事務:「今それどころじゃないです!5月分のレセプト締め(6/10)が終わるまで動けません!」
この「せめぎ合い」が起きること自体が、クリニックの管理体制が設計されていない証拠です。
今すぐやるべき3つのアクション
期限を逃さないために、今日確認すべきことは3つです。
-
1
自院に「対象サービス」があるか確認する
訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所・訪問リハビリを運営しているか。運営しているなら、処遇改善計画書の提出対象です。迷ったら事務長または事務責任者に今日中に確認してください。 -
2
計画書の作成・提出を誰が担当するか決める
医療の届出作業で手が回らない事務方に「なんとかして」では動きません。担当者を明確に決め、6月10日(レセプト締め)後の6月11〜14日に集中して仕上げるスケジュールを今から設定してください。 -
3
提出先(都道府県・市区町村)を確認する
サービス種別によって提出先が異なります。管轄の行政窓口または国保連に事前確認しておくと、提出当日に慌てません。
介護処遇改善計画書(特例):2026年6月15日(月)必着
※ 6月15日は月曜日です。郵送の場合は余裕を持って6月12日(金)には発送してください。
なぜ毎回こうなるのか——「設計がない」から起きる構造問題
今回のような「行政対応の嵐」は、これからも毎年起き続けます。診療報酬改定・介護保険改定・各種加算の申請——これらはすべて、事前に計画して動かなければ間に合わない業務です。
しかし多くのクリニックでは、こうした行政対応が「誰かが気づいたときに慌てて動く」という属人的な運用のままです。
誰がいつ何を確認し、いつ誰が作成し、いつ提出するか——この流れが設計されていないから、毎回せめぎ合いが起きます。
電話導線・役割分担・情報共有と同じです。行政対応も「設計」の問題です。
改善策を毎回考えるのではなく、最初から回る構造を設計する——それが、在宅医療経営ラボの取り組みです。
処遇改善計画書の対象かどうか、今すぐ確認できます。
クリニックの管理体制についても、無料でご相談いただけます。
📱 スマートフォンの方はボタンを、PCの方はQRコードをご利用ください
今回のような「行政対応の混乱」も、クリニックの管理体制が設計されていれば防げます。
在宅医療経営ラボでは、訪問診療クリニックが「崩壊しない構造」をつくるための7つの設計項目を解説するシリーズ記事を順次公開していきます。
公開情報はLINEでもお届けします。ご登録はCTAのボタンから。
河井貴幸|在宅医療設計士
医業経営アドバイザー/在宅医療経営ラボ(有限会社メディカルラボ)。外来・訪問診療・人員・集患・動線の統合設計を専門とする「在宅医療アーキテクト」として、クリニックの構造的課題に取り組む。