参謀日誌|コードは、作らなかった
在宅医療の現場では、医薬品や消耗品の在庫管理が後回しになりがちです。今回は、その仕組みを整えるときに、あえて手をつけなかった部分の話です。
「在庫管理の表を、一から作りましょうか」
ある院長先生から、そう相談を受けたのは、経理の話が一段落したときのことでした。医薬品も、スクラブやディスポーザブル製品のような消耗品も、日々の増減を追える形にしたい、という話の流れでした。
「医薬品には、卸さんの商品コードがついていますよね」と確認すると、院長先生は当然という顔で頷きました。仕入れの明細にも納品書にも載っている番号のことは、院長先生も担当のスタッフの方も、もちろん知っています。大きな病院であれば、卸の会社が院内に拠点を置き、専任の担当者が常駐して在庫まで管理してくれることもある。そこまでの規模ではないにしても、コードの存在自体は、業界の共通言語のようなものです。
体制の規模が、違うだけ
ここで考えるべきは、「コードを知っているかどうか」ではありません。そのコードを使って、日々の増減をどこまで追える体制を組めるかです。
病院規模になれば、卸が人員ごと配置して、入出庫の管理まで請け負ってくれることがあります。診療所の規模では、そこまでの体制を組んでもらうことはまずありません。だからといって、既にある商品コードを使わない理由にはなりません。卸が提供してくれる番号をそのまま使い、記録だけを自分たちの手で回す。それで十分に足ります。
問題は、その先にありました。スクラブやディスポーザブル製品のような消耗品には、医薬品のような統一されたコードがありません。仕入れ先によって型番の付け方がばらばらで、拠り所になる番号がどこにもないのです。
病院なら受けられる体制も、診療所の規模では組んでもらえないことがあります。だからこそ、使えるものはそのまま使い、支えてもらえない部分だけを自分たちで補う。その線引きを見極めることが、在庫管理の設計では欠かせません。
足りない部分だけ、自分たちで補う
消耗品は、仕入れ先ごとに整理し、自分たちでコードを決めました。単価と数量が一目で追える形にして、医薬品と同じ運用に乗せます。
コードが揃えば、あとは日々の記録です。仕入れた数、払い出した数を、その日のうちに記録する。特別なシステムは使わず、エクセルで十分足ります。月に一度、棚卸をします。数字が合わなければ、どこかで記録が漏れているか、扱いに問題があるということです。日々の記録があるから、合わない理由をその場で追えます。
できあがった管理表を渡すと、院長先生もスタッフの方々も、思った以上に喜んでくれました。理由を聞くと、「病院のような体制はなくても、これで十分に把握できる」という言葉が返ってきました。規模に見合った仕組みを組めたことに、価値を感じていただけたようでした。
同じように、在庫管理の仕組みづくりでお困りでしたら、ホームページのお問い合わせフォームからご連絡ください。お急ぎでなければ、まずは読んでいただくだけで十分です。
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