参謀日誌|クリニックの近くに、部屋を借りた話

在宅医療クリニックの経営相談で、最も多く聞かれる悩みは夜間対応です。今回は、その悩みが最も深刻だったある時期の話です。

ある時期、あるクライアント先は、夜間の体制がどうしても整いませんでした。常勤医は院長お一人。非常勤の当直医を確保しようにも、地域的になかなか見つからない。オンコールを引き受けられる人がいない夜が、月に何日もありました。24時間365日の対応の重さは、結局のところ院長先生お一人にのしかかっていました。

このままでは、院長先生の身体が持たない。そう判断した時期、クリニックの近くにアパートを一部屋借りて、そこで待機していたことがあります。オンコールの一次受付、緊急往診の連絡対応、必要な場合の同行まで、その期間だけ引き受けました。

本来の業務範囲を、越えた理由

これは、通常のアドバイザリー業務の範囲ではありません。経理や人事の設計、採用、面談——それが本来の役割です。オンコールの受付や緊急往診の同行にまで入ることは、めったにありません。

それでも、その時期は必要だと判断しました。仕組みを作っても、仕組みが動き出すまでの空白の時間に、誰かが現場を支えなければ、院長先生一人が壊れてしまう。そう感じたからです。

仕組みを作ることと、仕組みを支えることは別の仕事

体制が整えば、当然そこから抜けます。非常勤医師の採用が進み、当直の輪番を組めるようになった段階で、待機はやめました。あくまで、体制ができるまでの「つなぎ」です。

本来の業務範囲を越えて現場に入ることは、めったにありません。それでも、必要だと判断した時には、躊躇しません。経理も人事も現場も一人で見られるからこそ、「今、何が本当に足りていないか」を自分の目で判断できるのだと思っています。

段階的に、負担を分散する

24時間対応が一人に集中する構造は、多くのクリニックで共通しています。非常勤医師の確保、近隣医療機関との連携、オンコール当番のルール化——これらを順番に組み立てていけば、特定の誰かに負担が集中する状態から抜け出せます。

ただ、仕組みが動き出すまでの間、誰も現場を支えなければ、仕組みそのものが崩れてしまうこともあります。その空白を埋めるのも、参謀の仕事の一部だと考えています。

同じように、24時間対応の重さを一人で抱えていらっしゃるようでしたら、ホームページのお問い合わせフォームからご連絡ください。お急ぎでなければ、まずは読んでいただくだけで十分です。

お問い合わせフォームはこちら/LINEでのご連絡も可能です:https://lin.ee/6R4N66h