事例23

弊社が得意とする在宅医療機関併設訪問看護ステーションの開設事例を、2 つのパターンに分けてご紹介します。事例 5(2024.10.01)でも触れていますが、今回は数値を用いてさらに具体的に解説します。

訪問看護ステーションは在宅療養支援診療所の要であり、診療報酬の低い医療保険ではなく、介護サービス事業所を設立することで、みなし訪看より収益性の高い介護保険報酬を得て経営の安定化が図れる。また、医師に次いで高い看護師の人件費を医療事業から分離し、独立採算制を導入することで経営リスクを分散できる。
最大のメリットは、看護師スタッフに経営を可視化することで経営意識が向上し、訪問診療の使命感がより一層高まる点にある。さらに、医療機関との併設により、医師と看護師がカンファレンスなどで患者(利用者)の情報を共有し、診療方針を明確にすることで、WOC(褥瘡専門看護師)と連携しながら治療期間を短縮し、患者(利用者)の負担軽減を実現することができる。さらに、医療機関のDX化やIT整備により、オンライン診療を促進することができる。限られた医療従事者である医師や看護師のマンパワーを、限られた医療リソースを最大限に活用して効率的に運用できるようになる。

実例1: 埼玉県 医療法人 医療事業暦30年(総合内科)
(訪問診療暦30年 患者数 患家50名 1施設500名)
施設基準 在支診2 機能強化型(連携)

売上高 現状分析とMLI(MedicalLabo,Inc.)経営改善後対比表

項目過去5年間平均
(単月)
直近1年間平均
(単月)
MLI 経営改善
(6ヵ月後単月)
総売上高1,460万円1,310万円1,650万円
外来収入736万円590万円752万円
外来患者数917人794人708人
外来単価8,023円7,431円10,591円
訪問診療収入724万円459万円898万円
訪問患者数550人450人600人
訪問単価13,164円10,200円14,967円
医業利益▲10万円▲170万円260万円
利益率▲1%▲13%16%

※依頼事項に基づく医業損益の現状分析と、売上安定基盤の構築を目指した6ヵ月間の経営改善におけるステップアップ。

医業経営改善の問題点と課題定義と解決

問題点:顧問税理士はいるものの、医業経営に精通しておらず、経理処理に留まり以下の項目が経営に反映されず、損益数値管理が行われていない。

① 外来・訪問患者の集患対策
② 医師の稼働率データ
③ 診療単価分析
④ 診療報酬請求内容分析など

課題:誰がいつまでに諸問題を解決するのか?
自院スタッフにはノウハウとスキルが不足している。

解決:短期間で問題を解決し成果を出せる専門家に外部委託する。

医業経営改善の実績と成果 ⇨ 継続と安定事業経営

●在宅医療促進に伴う医療機関併設訪問看護ステーション開設【概略】
人員:院内スタッフ看護師4名のうち4名をステーション事業所へ移籍
事業所設備:医院2階へ事業所開設

※開設施設基準を満たし認可を下ろす。

【総費用】100万円 通常開設費用の5分の1の初期投資で開設

設備費他 50万円 什器・備品(電子カルテほか)
MLI 開設支援パッケージ 50万円(法人/定款変更から許可申請)
(通常開設費用 500万円~800万円) メリット①

※開設後の管理・運営の継続サポートとして、アドバイザリー契約(月額24万円)を行っております。

短期間で収益出すため、アドバイザリー費用は十分カバーできる メリット➁

継続と安定事業経営

ここでは、看護師5名分の人件費月額約150万円(法定福利費含む)を分離し、開設から3ヵ月で損益分岐点を±0に設定した事業計画を策定しました。そして4ヵ月目からは人件費を含む諸経費を差し引いても事業利益が出るよう、順調に推移しています。最大のメリットは、看護師スタッフに経営の見える化を図ったことで、経営意識が向上し、訪問診療への使命感がこれまで以上に高まったことです。また、訪問看護の経験がない看護師でも対応できるのかという疑問が出るかもしれませんが、ここでは4名中3名が未経験者ながら、全く問題なく業務を行えています。

実例2: 往診から WOC ナース(褥瘡認定看護師)による褥瘡専門看護 ST を立ち上げた例です。個人クリニックとして、まずは院長が個人出資で150万円の株式会社を設立し、CLの2階に施設基準を満たす形で認可を取得しています。ここでは、CL在籍看護師5人のうち4人が株式会社へ移籍し、介護サービス事業所をスタートさせ、地域の訪問診療をサポートしています。ただし、24時間365日体制ではなく、実働時間7時間30分の範囲で訪問看護業務を行っています。

世田谷区 個人クリニック 医療事業暦10年(皮膚科)
(往診暦5年 患者数 患家 30名 施設0 )
施設基準 在支診3

開設6ヵ月損益推移 単位:千円

10月11月12月1月2月3月
売上目標1,5001,5001,5001,8001,8001,800
売上実績1,6721,3451,6771,7311,8121,871
差額172-155177-691271
損益分岐1,4001,4001,4001,4001,4001,400
訪問スタッフ数合計3.53.53.53.53.53.5
利用者数363438435052
訪問件数2051752061831970
利用者1人当たり回数/月655444
利用者平均単価/件8,1587,7377,9528,3328,6858,985
新規利用者数017685
終了利用者数0▲2▲3▲1▲1▲3
※平均単価には加算分を含む

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