事例12

【概要】

2025 年問題とは、戦後の第一次ベビーブーム(1947~1949 年)に生まれた「団塊の世代」が 75歳を迎える2025年に、日本がさらに「超高齢社会」に突ことで生じるとされている問題の総称です。 2025 年問題は、医療業界にも多大な影響を与えるとされています。 元気な高齢者が増えているとはいえ、高齢になるほど免疫力は低下します。高齢者の増加は、人口全体 で見たときの疾患リの上昇とも言い換えられます。つまり、超高齢社会が進むにつれて、医療の需要は 必然的に高まっていきます。 しかし、少子高齢化によって労働力の減少は今後ますます進んでいくでしょう。医療業界も例外ではな く、将来的に医師や看護師の数が減少することは避けられません。つまり、社会保険と同様に需要と供給 のバランスが崩壊してしまう可能性があります。このバランスをどのように保つかが、医療業界が解決しなけ ればならない大きな課題の一つです。 もう一つ、2025年問題によって医療業界が直面するとされているのが、医療費の問題です。 高齢者増加に伴い患者数が増加すれば、医療費の増加も避けられません。高齢者の医療費自己負担 は原則として 1 割に設定されてり、残りは社会保障費によって補われています。社会保障費の財源は、 我々が支っている税金です。つまり、医療費は今後も増える一方であるの対し、労働人口が減り徴収で きる税金が減少すれば、必然的に社会保障費を確保することが難しくなってきます。今後、限られ財源で 質の高い医療を提供するためにも診療報酬の見直しなどが図られることになるでしょう。国の方針に合わ せて、病院や診療所の経営方針や取り組みなどを見直していくことも必要と考えられます。また、医療だけ でなく介護についても、同様の問題があります。高齢者が増えればそれだけ介護サービス利用者が増える のは間違いなく、介護保険制度に必要な介護費用財源の確保が課題となってくるでしょう。 こうした様々な課題が見える中で、改めて考えておきたいことは「在宅医療」です。病院ではなく、 患者さんの自宅で治療する在宅医療は、通院が困難となる患者さんの増加や自宅で最期を迎えたい というニーズの多様化により、需要の高まりが予想されます。患者さんのご家族にも協力をいただきな がら、医師、訪看護師、薬剤師、ケアネジャー、ホームヘルパー等と連携し治療やケアを行う在宅医療 が普及していけば、労働力不足や医療費の抑制にも繋がるのではと期待されています。 今後、突如として高齢者の数が減少したり労働人口が増加したりすることは考えにくく、2025 年問題 は避けられない問題となっています。この問題に対して、押さえておきたいキーワードは「地域」と「予防」で す。政府は 2025 年問題への対応策として「地域包括ケアシステム」の充実を目指しています。その ほか、注目されているのが AI や VR、介護ロボットなど ICT の積極的な導入です。政府も推進している 分野であり、AI による検査の解析、オンライン診療・遠隔診療の提供、画像解析による見守支援などが 当前のものとなれば、医師・看護師・介護士の人手不足を解決できる可能性があります。 また、ICT(インフォーメーションアンドコミュニケーションテクノロジー:単にコンピュータだけの話ではなく、 人と人とのコミュニケーションを含めた情報技術とその活用のことを指す/遠隔診療・カル・電子処方箋 等)を導入することにより生産性の向上も図れるでしょう。本来の専門的な業務に専念できるための 環境づくりを経営戦略として考えていくことが、未来の医療・介護を守ることに繋がります。

2025 年問題とは、超高齢社会によって医療や介護の需要と供給のバランスの崩壊が懸念される問題 です。少子高齢化となった当時から叫ばれていた問題が、いよいよ 2025 年を迎え、即急の対応が必要 時期となってきました。2025年問題に対応するためには、官一体となって取り組む必要があります。 既に地域包括ケアシステムを実現するための取組は地域単位で始まっており、一部の市区町村では ウェブサイトで具体的な方針を定めています。限られた労働力で増え続ける高齢者をサポートしていくため には、地域で連携して医療や介護サービスを提供していく仕組みを整えることが今後重要になるでしょう。 医療従事者としてどのような対策・行動をとっていくべきか把握するためにも、政府の方針に注視しつ つ、在宅医療への関わり方など、進むべき道を全面的にサポートさせていただきます。

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