事例3

事業承継における移籍スタッフのマネジメント

【案件概要】

承継するクリニックは医療法人です。
承継されるクリニックは長年地域の糖尿病患者の診療を行ってきた個人クリニックです。
院長が高齢のため引退す ることになり、その医院の事業を引き継ぐため、弊社が現場案件を専門として業務委託の依頼を受けました。
さらに、新しい分院の開院に向けて、以下の業務を 3 ヵ月以内に整理することが必須条件でした。詳細は 以下で説明しますが、弊社は人材マネジメントを得意としていますが、予期せぬ大きな問題が存在していた ことが判明しました。

【委託業務内容】

詳細について以下のとおりです。
① Dr.&コメディカル(看護師)およびその他医療事務の採用と労務管理
② クリニックの内装、医療機器、電子カルテシステムの整備と運営管理
③ 売上金、レセプト請求の管理システムの整備
④ 行政手続き、病院との連携、医師会への加入、患者増加のための営業活動など これらの業務を引き継ぐクリニックに赴き、整理を行います。
クリニックはもちろん、事業承継までの 3 ヵ月間、 通常通りの診療を続けています。
この受託業務は、3 ヵ月以内に(スケジュールと費用は以下の通り)完了して います。

【人材マネジメントの問題と解決】

承継されるクリニックには、3名のパート医療事務スタッフと2名の看護師(常勤1名、パート1名)が在籍 しています。これら5名のスタッフは暗黙の了解で引き継がれることになっていたようですが、その重要な情報を承継する側が後出しで提供しました。
さらに、事務スタッフは電子カルテの使用ができず(これまでは紙カルテを 使用)、開院当初から勤務しており、勤続年数が長いため新しいシステムに適応できない状況です。
勤務時間、 シフト、給与面でも、新しく開院するクリニックの条件に合わないという問題があります。
それにもかかわらず、スタッフ本人たちは現状を維持して勤め続けることができると考えています。

先ず、双方の事情を聴取しました。承継する医療法人クリニックはスタッフの引き継ぎについて 明確な取り決めをしておらず、書面にしたものは存在しないと述べました。一方、承継される個人 クリニックは承継条件を口頭で確実に伝えており、条件が満たされなければ取り消すと主張して おり、双方は平行線をたどっています。そこで、医療事務員 3 名、看護師 2 名全員にヒアリング 調査を行い、その事情を説明しました。結果として、常勤看護師 1 名は高齢のため引退し、非常 勤看護師1名は継続して雇用されます。 医療事務員3名のうち1名は継続を望まず、残り2名は継続を希望しています。事業主が変更 されたため、新たな履歴書の提出と面接をお願いしました。しかし、希望される勤務日、勤務時間、 給与に合致しなかったため、残念ながら不採用となりました。この詳細を承継される個人クリニック に説明し、ご理解いただきました。

期 間:3ヶ月
訪問日:週2日/月8回 (他社月1回~2回)
訪問時間:1回6時間 (他社3時間)
時間単価:10,000円 (他社時間換算平均25,000円)